リフトアンドシフトとは
リフトアンドシフト(Lift & Shift)とは、ITシステムをオンプレミス環境からAWSなどのクラウド環境へ移行する戦略の一つで、「リホスティング」とも呼ばれます。これは、システムの構成やアプリケーションをほぼ変更せずに、そのままクラウド上に移す手法です。この方式は、他の移行戦略と比較してスムーズな移行が可能であり、移行にかかる時間とコストを最小限に抑え、迅速なクラウド化を実現することを目的としています。移行後には、クラウド環境に最適化するための「シフト」の作業を段階的に進めることがポイントです。

リフトアンドシフトを行うメリット・注意点
「リフト」のメリット
リフトは既存のシステム構成をほぼ変更せずにそのままクラウドへ移す、導入のハードルを抑えた手法です。このため、新規開発方式と比較して短期間かつ低コストで移行を実現できます。既存の運用ノウハウや人材スキルを流用できるため、新たな教育コストを抑えられる点もメリットです。また、地理的に分散したデータセンターを利用するクラウド環境へ移ることで、災害時のサービス継続性が高まりBCP対策として有効です。
| 1 |
短期間かつ低コストで移行
|
システムの改修が最小限で済むため、早期にクラウド化が実現します。 |
|
2
|
既存の運用手法を流用可能 |
運用方法が大きく変わらないため、既存の運用ノウハウや人材スキルを活かせます。 |
| 3 |
BCP対策と運用負荷の軽減 |
災害耐性が向上し、インフラの運用保守負担を軽減できます。 |
「リフト」の注意点
リフトはオンプレミス環境を前提とした設計を残すため、クラウド本来の柔軟性や拡張性といったメリットを十分に活かせません。また、クラウドへの最適化が不足しているため、既存構成を踏襲することでコストが微増するリスクや、ライセンス体系の変更で費用が上昇する可能性があります。オンプレミスで使用していた一部の製品(共有ディスク構成など)はクラウドで利用できない場合があるため、事前の綿密な適合性調査が推奨されます。
| 1 |
クラウド非対応の構成の存在 |
共有ディスクなど一部の構成はクラウドで再現できず、事前の調査が必要です。
|
|
2
|
クラウド特性のメリットを活かせない |
リフト直後は柔軟性や拡張性など、クラウド特有の機能活用は限定的となります。 |
| 3 |
移行後のコスト上昇リスク |
最適化不足で費用が増大するため、シフトでの継続的な改善が不可欠です。 |
「シフト」のメリット
シフトは、クラウド環境に合わせてシステムを再構築する手法です。これにより、サーバーレスアーキテクチャなどのクラウドネイティブな構成が実現し、柔軟性や俊敏性の効果を最大限に享受できます。リソースの最適化で無駄をなくし、中長期的な運用コストの削減につながります。また、老朽化したシステムが抱える課題を解消し、保守性や効率性を向上させることも可能です。
| 1 |
柔軟性と俊敏性を最大化
|
共有ディスクなど一部の構成はクラウドで再現できず、事前の調査が必要です。
|
|
2
|
長期的な運用コストを削減 |
リソースの最適化で無駄をなくし、継続的なコスト削減に貢献します。 |
| 3 |
システムの健全性を向上 |
老朽化やブラックボックス化を防ぎ、システムの品質を長期的に保ちます。 |
「シフト」の注意点
シフトはシステムの最適化や再構成を伴うため、リフトに比べると設計・検証の工数や期間を要する傾向があります。また、クラウドネイティブな設計やリファクタリングを円滑に進めるためには、クラウドの特性を熟知した専門的な知見が重要です。移行後の運用管理体制の再構築や、多層的なセキュリティ対策の検討など、広範囲にわたる準備が必要となるため、これらを織り込んだ余裕のある移行計画を立てることが推奨されます。
| 1 |
クラウドに特化した知見の活用 |
クラウドネイティブな設計には、専門のノウハウを持つ技術者との連携が効果的です。 |
| 2 |
計画的なリソース投入 |
システム再構築の規模に応じ、中長期的な視点での予算・工数計画を立てることがポイントです。 |
| 3 |
業務影響と互換性の検証 |
既存システムとの連携方法を詳細に設計し、十分な動作検証を通じて業務への影響を最小限に抑えることが求められます。 |
導入事例
システムの構成やアプリケーションをそのままクラウド上へ移行するリフトの一例です。
