2026.4.1

【50周年特別企画】挑戦を、自分たちの「最適解」に。――テクノロジー・コンサルティング部 林 夏樹 × 阿萬 莉香子

皆様こんにちは!マーケティングチームの清水です。 今年で創業50周年を迎える株式会社シー・エス・エス。50年という長い歴史の中で、技術のトレンドも、そして社員の役割も大きく進化してきました。

今回の企画では、社内でアマゾンウェブサービス(以下:AWS)事業を牽引するフロントランナーとして知られ、黎明期から『ファーストペンギン』としてクラウドの道を切り拓いてきたお二人にお話を伺いました。いつも明るく柔らかな空気感を纏うお二人ですが、その内側に秘めた泥臭い奮闘記や譲れないこだわり、今日までの歩みについて詳しく語っていただきました。

【プロフィール】

林 夏樹(はやし なつき) ソリューション・サービス事業部 テクノロジー・コンサルティング部 テクノロジーコンサルティング課 統括課長。2010年に新卒で株式会社シー・エス・エス 入社。社内でAWS事業を立ち上げた第一人者であり、10以上の資格を保持する努力家でもあり、顧客からの信頼も非常に厚い「シー・エス・エスの開拓者」。

阿萬 莉香子(あまん りかこ) ソリューション・サービス事業部 テクノロジー・コンサルティング部 クラウドシフト課 統括課長。2017年に新卒で株式会社シー・エス・エスに入社。AWSインフラ設計・構築のスペシャリスト。Identity CenterやWorkSpacesなど、高度な基盤構築で多くの実績を上げる。プライベートでは吹奏楽団で打楽器を演奏するというアクティブな一面も持つ。 

第1章:AWS挑戦の記録 ― 試行錯誤の末に見つけた「エンジニアとしての誇り」

 

―― 今日はAWS事業を支えるエキスパートであるお二人にお話を伺えるのを、本当に楽しみにしていました!最近は業務以外でゆっくりお話しされる機会はありましたか?

:実は、業務以外でゆっくり……というのは最近あまりなかったかもしれませんね(笑)。

阿萬:そうですね、お互いバタバタしていましたし。それでも、こうしてお隣に座ると、やはり背中を預けられる安心感があります。

:そうですね(笑)。実はがっつり同じプロジェクトに入る機会って意外と少ないんですけど、AWSという同じ領域を牽引してきたエンジニアとして、阿萬さんの仕事の進め方や、技術的な判断の軸がどこにあるのかが見えているので、課は違っても、目指す技術レベルが同じ方向を向いている安心感がありますね。

―― 長く一緒にAWS事業を牽引してこられたお二人ですが、最初に出会った時と今とで、お互いの印象で変わったなと思う部分はありますか?

阿萬:そうですね。入社したばかりの頃から、林さんは私にとってずっと「テキパキした、雲の上のすごいエンジニア」なんです。その圧倒的なリスペクトは今も昔も全く変わっていません。順調に進んで、自分も統括課長という立場になって、以前よりは少し近い視点で林さんの仕事を見られるようになったのかな、とも思います。今は背中を追いかけるだけじゃなく、隣でAWS事業を支えていけることがすごく心強いですね。

:阿萬さんは、最初は「物静かで落ち着いた子だな」という印象だったんですが、いざ現場で共に動いてみると、すごく芯がしっかりしているなと感じました。私が見落としがちな部分までよく周りを見てくれているので、私が突っ走りそうになった時にふと大切なことに気づかせてくれる。今ではお互いの強みを補い合える、非常に信頼できるパートナーですね。

―― 今でこそエキスパートのお二人ですが、黎明期の「これは本当に大変だった」という失敗はありますか?

:一番の失敗は、AWSの資格を取るために必死に詰め込んだ知識を, そのまま現場に持ち込んでしまったことですね。「ベストプラクティス通りなら、これが最善です!」と自信満々で設計を進めていたんですけど、いざ検証してみたら、お客様固有の制約や現場の要件にどうしても合わない部分が出てきて……。結局、設計から何から全部やり直し。その時に、お客様から言われたんですよね、「これ、最初からわからなかったんですか?」って。

阿萬:……それは、刺さりますね。

:もう、ぐうの音も出ませんでした。資格の知識さえあれば「正解」が出せると思っていた自分の甘さを痛感しましたね。あの時の打ちのめされた経験があったからこそ、ただ教科書通りの答えを出すのではなく、「知識としての『正解』を、その現場にとっての『最適解』へとどのように落とし込み、価値に変えていくか」という今の私のこだわりが生まれました。

阿萬:今の林さんからは想像もつかないです。そうやって現場で揉まれて、今のスタイルを築かれたんですね。

:恥ずかしいなぁ(笑)。失敗を隠さずに伝えることも、先輩としての役割かなと思っているんです。綺麗な成功談だけじゃ、本当の意味で後輩の力にはなれないですからね。

―― 失敗をさらけ出すことが、次世代への一番のメッセージになるんですね。阿萬さんはどうですか?林さんとはまた違う、当時の苦労があったのではないかと思います。

阿萬:私は、常駐先でのAWS案件だったんですけど、自分の「作業範囲」がうまく認識できていなかった時期がありました。お客様の指示のもとで動く立場だったのですが、上位の方から「これ調査して」「次はこの調査」って次々に振られるタスクを、全部「分かりました!」って引き受けてしまったんです。当時は断るという発想がなくて、気づけば残業時間がすごいことになって、パンクしかけたことがありました。

:そこから、どうやって今の「自分でコントロールする」スタイルに変えていったの?

阿萬:やっぱり、そのパンクしかけた経験が一番のきっかけですね。順調に進んでも、ただ言われた通りに動くのではなく、お客様が「これお願いします」と言ったときに、「ちょっと待ってください、そこまで調査しなくても目的は達成できるんじゃないですか?」といった、作業量の調整や見極めを意識的に提案するようになりました。技術者として「何のためにやるのか」を整理することの大切さを学んだ、経験でしたね。いや~、あの時は本当につらかったです(笑)。

―― 現場のリアルな厳しさを感じるお話ですね……。そうした大きな壁にぶつかった時、お二人はその後、どのように気持ちを切り替えているのでしょうか?

:私は、究極的には「ネタが増えたな」と捉えるようにしています。失敗した直後はもちろん落ち込みますけど、後で絶対に笑い話にできるし、何より次に活かせる強力なエピソードになりますから。「この失敗、次はどうやって面白おかしく話そうか」なんて考え始めると、不思議と次の一歩が軽く踏み出せるようになるんです。

阿萬:私は、「最後は時間が解決してくれる」と考えるようにしています。もちろん、その瞬間はめちゃくちゃへこむんですけど(笑)、ずっとこの辛さが続くわけじゃない。いつか必ず「あの時は大変だったね」と言える日が来る。そう自分に言い聞かせると、少しずつ気持ちが落ち着いて、また前を向けるようになるんですよね。

第2章:後輩育成と、シー・エス・エス流の「人を大切にしながら、共に高め合う空気感」

―― お二人は「社外(客先常駐)」と「社内(請負案件)」の両方を経験されています。そのバランスの面白さはどこにありますか?

:私は、シー・エス・エスの良さは「転職というリスクを負わずに、エンジニアとしての冒険ができること」だと思っています。外の現場で新しい文化や技術を吸収して、それをまた社内のチームや別のプロジェクトに持ち帰って還元できる。このサイクルがあるから、常に新しい発見があって、ずっと新鮮な刺激を受け続けられるんですよね。

阿萬:本当にそうですよね。一つの場所に腰を据えながら、外の空気も吸える。その循環があるからこそ、私たちの提案もどんどん豊かになっていくんだと思います。

―― 統括課長としてチームを任されているお二人ですが、後輩を導く際に大切にしていることはありますか?

:私、もともと教師になりたかったという夢があったんです。なので今、後輩に技術を伝えている時間は、教育への想いが今の仕事に自然と重なっている感覚があるんです。ただ、私の思う理想の教師像って、単に知識を授けるだけじゃなくて、「経験」もセットで伝えられる存在なんですよね。だからこそ、自分自身が今も現場で実務に携わり続けていることが、その理想の教育に繋がっていると感じています。単なる手順としての「やり方」だけじゃなく、実務で得たリアルな「考え方」の部分をしっかり伝えたい。それが将来、どこかで彼らの力になってくれたらいいな、なんて思っています。

阿萬:だから林さんのお話って、いつもすごく納得感があるんですね。単なる理屈だけじゃなく、実際に現場で苦労された実体験が裏側にあるから、言葉の重みが違うというか。

:そう言ってもらえると嬉しいですね(笑)。

阿萬:教え方ということで言うと、実は私、ついつい「こうやった方がいいよ」って自分のやり方を押し付けてしまいがちなんです。最近はそこをグッと堪えて、あえて「任せる」ことをすごく意識しています。例えば打ち合わせでも、後輩に「話す役」をお願いして、私は一歩引いて見守るようにしたり。やっぱり、自分で悩みながらも最後までやり切ったという実感が、何より彼らを大きく成長させてくれるんだなと、最近はつくづく感じています。

:その「堪える」っていうのが一番難しいし、勇気がいるんですよね。阿萬さんがそうやってチャンスを作って見守ってくれるからこそ、次世代のメンバーが安心して育っていけるんだと思います。

―― プレイヤーから管理職(統括課長)へと役割が変わる際、ご自身の中でどんな意識の変化がありましたか?

阿萬:視界がガラッと変わりましたね。プレイヤーの時は、とにかく自分の持ち場をきっちり、ミスなく仕上げることに必死でした。でも今は、チームのみんながどうすればスムーズに動けるか、どうすれば一人ひとりの良さが引き出せるかっていう『土台づくり』に目が向くようになりました。以前は自分の仕事をこなすだけで精一杯なところもありましたが、今はみんなが安心して力を発揮できる環境を整えることに、また新しい手応えを感じています。

:わかります。実は私、お客様先でガリガリ回すような PM(プロジェクトマネジメント)はあまり得意じゃないというか、正直なところ「できればやりたくない」タイプなんです(笑)。でも、社内のチーム作りや後輩たちのマネジメントは、やってみるとすごく面白いなと感じていて。以前は「私がやらなきゃ」という責任感が強すぎた時期もありましたが、今は自分が成果を出すことよりも、メンバーが「自分で答えを見つけた瞬間」に立ち会えることの方が嬉しくなっちゃっています。

第3章:先輩・後輩を超えた二人の『いい関係』

―― お互いの存在が、仕事にどう影響していますか?

阿萬:お互い、得意としている技術の領域が絶妙に噛み合っているのがいいですよね。林さんは、サーバーレスや最新のデータ分析基盤、マネージドサービスをフル活用したアプリ寄りの設計が本当に強くて。私がネットワークやサーバー構築(IaaS)といったインフラの深いところで判断に迷った時、林さんに相談すると、「システム全体で見れば、この構成の方が運用も含めてシンプルになるよ」と、自分にはない俯瞰した視点で正解への近道を示してくれる。その引き出しの多さには、いつも助けられています。

:私の方こそ、阿萬さんにはいつも助けられています。私は新しいサービスを使ってパッと解決しようとしがちなんですけど(笑)、阿萬さんはネットワークの設計や運用監視といった、絶対に止めてはいけない基盤の部分を本当に丁寧に、きっちり固めてくれる。私が描いた図面を、阿萬さんが現実の形にしてくれるような感覚ですね。この組み合わせがあるからこそ、一人では作れないレベルのものを自信を持ってお客様に出せているんだと思います。

阿萬:それに、林さんは技術的な正解を出すだけじゃなくて、常にお客様に寄り添う『ホスピタリティ』を大切にされていますよね。お客様から感謝の花束をいただいたというエピソードも有名ですが、技術の知識をどう使えば本当の助けになるか、その一歩踏込んだ向き合い方には、隣にいていつも圧倒的な実力を感じます。

:阿萬さんは、私が気づかないような細かい部分をいつも冷静にフォローしてくれるんです。技術はもちろんですが、メンバーの顔色や状況をパッと見て「今、こうすべきじゃないですか?」と動けるバランス感覚は本当にすごい。会社にとっても、すごく心強い存在ですね。

―― 普段は照れくさくてなかなか言えない「お互いへのメッセージ」を、この機会にお願いします。

阿萬:正直に言いますね。……林さんがいなかったら、私、どこかで心が折れてシー・エス・エスを辞めていたかもしれません。林さんが前を走ってくれていたから、私もここまで来られました。心から感謝しています。

:……そんな風に思ってくれていたなんて。阿萬さんは、私がわからないことを相談してもいつも真剣に向き合ってくれるし、後輩の様子も本当によく見てくれています。案件もお客様のことも、全体をバランスよく見ようとするその姿勢には、私の方が学ばせてもらうことが多いです。阿萬さんが隣にいてくれたから、私も迷わずに進んでこれたんだと思います。これからもよろしくお願いします。

第4章:シー・エス・エスの50周年と、その先へ。

―― 50周年という節目に立ち、これからのシー・エス・エスをどんな場所にしていきたいですか?

:私が入社した頃と比べると、会社全体で新しいことに積極的にチャレンジしようとする姿勢が、より鮮明になってきたと感じます。AWSの事業を立ち上げたときもそうでしたし、今は会社としてAIを積極的に取り入れようとする動きが活発だったり、常に「次」を見据えるスピード感が、以前にも増して速くなっているなと肌で感じています。技術はどんどん新しくなります。ですが、そんなふうに最先端を追いかけながらも、シー・エス・エスの「人の良さ」という根幹は変えたくない。いくつになっても現場を楽しみ、新しいことにワクワクできる集団でありたいですね。

阿萬:10年後, 20年後も、私たちが今こうして向き合っている仕事が、誰かの力になっていたらいいなと思います。いつか私たちが引退した後も(笑)、シー・エス・エスの仲間たちが新しい技術を楽しみながら、誰かの挑戦を支え続けていたら最高ですね。

―― 最後に、この記事を読んでいるお客様や未来の仲間たちへメッセージをお願いします。

:50年という節目を迎え、まずは感謝の気持ちを大切にしたいですね。ただ、50年という歴史の重みがあるからこそ、そこに立ち止まらずに『次』を追いかけていきたい。AWSやAIといった新しい技術を武器に、これからも期待に応え続けていきたいです。やろうと思えば何でもできる場所にしていきたいから、みんなで一緒に頑張っていきましょう!

阿萬:「シー・エス・エスに頼めば間違いない」という安心感を技術と誠実さでお返ししていきたいと思っています。技術の世界は正解がなくて不安になることもあると思いますが、シー・エス・エスには一緒に悩んで、一緒に「納得できる答え」を探してくれる仲間がたくさんいます。私もその一人でありたいと思っています。……あ、飲みのお誘いもいつでも待ってます(笑)! 

さいごに

お二人のインタビュー、いかがだったでしょうか? 技術的な凄さはもちろんですが、それ以上に、これからの変化を真っ直ぐに見据えて語る姿がとても印象的でした。お二人がこれからどんな新しい「当たり前」を作っていくのか。私も一人の仲間として、その変化を一番近くでワクワクしながら追いかけていきたい。そう強く感じた、あっという間の1時間でした。

林さん、阿萬さん、本日は本当にありがとうございました!

この記事の著者

清水

清水 麻友[Shimizu Mayu]

株式会社シー・エス・エス
デジタル・マーケティング本部 所属
2025年入社

林さんとラムしゃぶを食べに行きました。美味しかったです。